‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
「あ?

何だ?」




 正六が、その何かを摘む。




 それは鼠だった。




 正六が怪訝に思い、首を傾げる。




 その時、背後に何かの気配を感じ、振り返った。




 正六の背後には、鼠の壁がそそり立っていた。




「な・・・・・・何だ、こりゃ!?」




 摘み上げた鼠が暴れる。




 正六が、思わず指の力を緩めた瞬間、その鼠が正六の顔に飛び付いた。




 正六が驚き、慌てて手で払う。




 それで飛びのいた鼠は、口に何かをくわえていた。




 怪訝に思った正六がよく見てみると、それは鼻だった。




「何で・・・・・・、そんなモンくわえてんだ!?

いったいどこから!?」




 そう呟いた瞬間、正六の顔面の中心が、‘なぜか’激しく痛みだした。




 正六が、思わずそこに手を当てる。




 だが、そこには、本来あるべきはずの物が無かった!




「ぐわぁぁぁ!

まさか!?

それ、俺のかぁ!?」




 正六が絶叫する。




 しかし、その絶叫は、すぐに掻き消された。




 正六の背後にそそり立った、鼠の壁が崩れる音に飲み込まれて!
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