‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
「おい。

あの鼠、お前ぇらの仲間じゃあねえのか!?」




 断十郎が、京允に問い掛ける。




 京允が苦々しそうに答えた。




「知らねえよ!

元々、俺ら、百葉の素性なんて、ほとんど知らねえんだ!」




 断十郎が呆れて、京允の顔を見た。




 そこへ、彝経九郎がやって来た。




 小脇に凪を抱えている。




 その後を経輝が追って来ていた。




 経輝も、意外と軽い身のこなしだ。




「ここも、やばそうだな」




 彝経九郎の言葉通り、百葉の頭はさらに大きくなり、今や、ちょっとした家ぐらいの大きさになっていた。




「鼠が妖どもを喰らって、次々と群がってきやがる!」




 断十郎が忌ま忌ましそうに言った。




「でも何で?

外に居た妖達は体まで食べられなかったのに、あの鬼はあんなに・・・・・・」




 凪が鼠の波間に時折見える白い物を、怯えながら見た。




 正六はもう、完全な骨と化していた。




「それは、あいつらは、完全な妖になったからだろう。

外に居る奴らは、まだ不完全なのだ」




 彝経九郎が、ちらりと京允を一瞥する。




「ああ?

何だよ?

なんか文句でもあんのか?

ああ!」




 京允が凄む。




 しかし、ふと思い出したように、背を向けた。
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