‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
 そして、先程の京允と同じように、断十郎の体が両断されてしまった。




 一瞬、そう見えた。




 だが、断十郎は無事だった。




 咄嗟に身を低くし、凪をかばいながら百葉の一撃を避けたのだ。




 甚兵衛は、ホッとした。




 しかし、甚兵衛がホッとするのは、まだ早かった。




 断十郎が、フラフラとよろめきながら立ち上がろうとする。




 それを凪が支えている。




 断十郎の頭からは、血がだらだらと流れていた。




 断十郎は、完全にかわせたわけではなかったのだ。




 百葉の腕が頭をかすめて軽い脳震盪を起こしたらしい。




 まともな一撃なら、京允の体を両断してしまう程の破壊力だ。




 かすっただけとはいえ、そのダメージは小さくないはずである。




 断十郎はよろめきながらも、刀を杖にし、凪を背後にかばうようにして立ち上がった。




 そんな状態でも・・・・・・。




「甚兵衛・・・・・・。

俺ぁ、お前の力を信じてる!

任せたぜ!」




 断十郎はそう言って、不敵に笑った。




 その瞳には、揺るぎない信頼があった。




 なぜだろう?




 甚兵衛は、そう思った。
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