‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
「ああ。

やりやがった!」




 断十郎が疲れきった表情ながら、ホッとした様子で言った。




 甚兵衛が、歩み寄ってくる。




 甚兵衛の体を覆っていた青白い焔は消えており、瞳も元の漆黒に戻っている。




 御神刀の刀身も、金属質の物に戻っていた。




「甚兵衛!」




 凪が駆け寄り、甚兵衛に抱き着く。




 いきなり、支えていた凪がいなくなったので、断十郎がよろめいた。




「大丈夫ですか?」




 心配そうな甚兵衛に、断十郎が微笑みかける。




「おう!」




 片手を挙げて甚兵衛に応じた。




 そこへ彝経九郎と経輝もやって来た。




「あんたらにも世話になったな」




 断十郎が、人懐っこい笑みを浮かべる。




「まだ、全て終わったわけじゃない!

外の妖達を何とかしなければ!」




 経輝の言葉に、凪がハッとした。




「でも、どうやってあれだけの数の妖をどうにかするの!?」




「それは、私と君で何とかするしかない」




 経輝の言葉に、凪が怪訝そうな表情をする。




「つまり、私と、君の異能で妖の神を抑えるしかない」




 経輝も凪も、かなり疲弊していた。




 それでも、経輝の表情には義務感が伺えた。
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