‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
 そんな凪に、断十郎が近付いて来る。




 凪は、ハッと身を強張らせた。




 自分は、罪人なのだ。




 この温もりを、忘れ去らねばならない。




 断十郎が、凪の肩に手を置く。




 凪は、恐る恐る、断十郎の顔を見た。




 意外なことに、断十郎は、とても優しく微笑んでいた。




「凪・・・・・・。

お前ぇは罪人だ。

だが、異能を使う“御使い”でもある。

俺には、妖や“御使い”に関して裁量権がある」




 それは、凪も知っている。




 だから、平治は異例とも言える軽い処罰で赦されたのだ。




「凪。

お前が赦されるには二つしかねえ。

一つは、きちっと裁きを受ける。

だが、これが嫌なら・・・・・・」




 凪が、固唾を飲んで、断十郎の言葉を待つ。




「お前ぇ、俺達の仲間になれ!」




「えっ!?」




 凪が、驚きで、涙を浮かべたままの目を、大きく見開く。




「どうだ?」




 断十郎が、優しく笑む。




 凪は、黙って頷いた。




 何度も、何度も。




 その度に、涙が零れた。




「甚兵衛!

凪の責任を取る覚悟があるっつったな!

じゃあ、お前ぇが、凪の世話をしろ!」




「えっ!?」




 甚兵衛が面食らう。
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