‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
「では、試してみよう・・・・・・」




 秀郷が、空を見上げる。




 蒼天が、今日は一際高く感じられた。




 秀郷が、蒼々と広がる天に向かって、勾玉を弾く。




 大いなる力を秘めた勾玉が、大いなる空へ吸い込まれるように、一直線に弾け飛んだ。




 膩玖も、その様を目で追う。




 その時!




「あっ!?」




 膩玖が、思わず声を上げた。




「これは・・・・・・、なんと・・・・・・・・・・・・!?」




 膩玖が見ていた目の前で、どこからともなく飛来してきた一羽の白い鷹が、“神宿しの勾玉”をくわえて飛び去ってしまった。




「『運命(サダ)まりし時、運命(サダ)まりし者が得(ウ)べき物』・・・・・・」




 秀郷が、謡うように呟いた。




「膩玖よ・・・・・・。

“道理”が曲がったわ!」




 秀郷が、どこか愉快そうに、白鷹が飛び去っていった空を見上げていた。




「いや・・・・・・。

これが、“道理”か・・・・・・」




 秀郷のその瞳には、強大な何者かに挑もうとしているかのような、鋭い光が宿っていた・・・・・・。



       ◇完◇
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