‡G†O†D†s‡〜討魔の一刀〜
 膩玖は、秀郷の隣に歩み寄り、共に眼下で繰り広げられている捕物劇を見る。




「吉虎丸様は、なぜ、そのような暴挙を?」




 膩玖の問いに、秀郷が笑みを浮かべる。




 答えの分かりきっている質問に苦笑しているようだ。




「膩玖よ。

そのほうが、もし蔵を破ったとしたら、いったい何を奪う?」




 膩玖は、秀郷の言葉をしばし反芻すると、驚きで、目を見開き、秀郷の横顔を、思わず凝視してしまった。
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