only love
その日の帰り道。


珠璃「今日のコンサート最高だったねっ!」


黎 「うん!特にskyblueの人たちよかったと思う!ギターの人カッコよかったな。」


え?あたし何言ってるの。あたしには好きな人がいるのに・・・。

カッコイイっていう憧れの気持ちだけだよねっ。


今はそう、自分に言い聞かせる事にする。


珠璃「そうだねっ。ギター上手かったもんねっ!私はね・・・ボーカルの人に一目惚れしたかも・・・。歌声と歌ってる時の顔、ヤバイよ・・・。」


えーーっ!珠璃があたしのお兄ちゃんに一目惚れ?!

言うべきなのかな~。

てか、珠璃知らなかったんだカイのこと。教えておこう・・・。
黎 「マジ・・・?カイだよね?アレは私のお兄ちゃん。藍坂魁だよ。」


珠璃「うっそ・・・。知らなかった。」

しばらくの沈黙


沈黙を破ったのは珠璃

珠璃「あたし、カイ先輩好きになっていい?」


黎 「珠璃みたいなカワイイ子、お兄ちゃんにはもったいない(笑)でも、好きになったならそれでいいと思うよ。あたし、協力するっ。」


真剣な珠璃をあたしは応援する。親友だからね。


珠璃「黎、ありがと~~~~~!。親友は違うっ!!
   それじゃこのヘンで、また明日ね~!」


黎 「うんっ!また明日ね。」




その日の帰り道、あたしはいつも通っている道とは別の道で帰った。


いつもの本屋にいるだろう、琥珀さんから避けるように。


ギターのあの人をカッコイイと思った自分から逃げるように。

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