風の旅
「な、瑞姫のこと、話すのは、怖い?」
なんだか怖がることの方が多かったから、いままでわざと聞かずにいたそのことを、思いきって聞いてみた。
ベッドで枕もとのライトだけ付けてほの暗い中。
その話題に触れるなり、肩がぴくり、と不安げに揺れた。
『やっぱり、気になるよね』
返事の代わりに、額にキスを落とす。
今までと同じ、あまりにもつらそうな表情をしたから、やはり聞くのをやめようか、と思ってしまった。
けど、このままじゃ一緒にいることすら危うくなるから、勇気を出すことにする。
「瑞姫とずっと一緒にいたいから。」
少しだけ微笑みを返してくれたけど、やっぱり不安そうな表情は変わらない。
『お願い。明日、ちゃんと話すから。今は。』
長い沈黙の後にやっと書いたそれを俺に見せると、痛いくらいにしがみついてきた。
これだけ嫌がるって、どんな風に生きてきたんだろう・・・。
「わかったよ・・・。」
想像もつかない瑞姫の人生を創造しながら、
返事の代わりに、今度はきつくきつく、抱きしめて、眠りに落ちた。
*
なんだか怖がることの方が多かったから、いままでわざと聞かずにいたそのことを、思いきって聞いてみた。
ベッドで枕もとのライトだけ付けてほの暗い中。
その話題に触れるなり、肩がぴくり、と不安げに揺れた。
『やっぱり、気になるよね』
返事の代わりに、額にキスを落とす。
今までと同じ、あまりにもつらそうな表情をしたから、やはり聞くのをやめようか、と思ってしまった。
けど、このままじゃ一緒にいることすら危うくなるから、勇気を出すことにする。
「瑞姫とずっと一緒にいたいから。」
少しだけ微笑みを返してくれたけど、やっぱり不安そうな表情は変わらない。
『お願い。明日、ちゃんと話すから。今は。』
長い沈黙の後にやっと書いたそれを俺に見せると、痛いくらいにしがみついてきた。
これだけ嫌がるって、どんな風に生きてきたんだろう・・・。
「わかったよ・・・。」
想像もつかない瑞姫の人生を創造しながら、
返事の代わりに、今度はきつくきつく、抱きしめて、眠りに落ちた。
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