風の旅
風が、いない
今日は休日で。
久しぶりにバイトも何もなくて。
ずっと、一緒の時間があまりとってあげられなかったから、今日はずっと一緒にいようと思っていた。
それに昨日の夜、約束したこともあるし。
何かに脅えているような節もあるし、うざったいって言うまで、甘やかしてやろう、そんなことを考えていた。
朝起きてみると、外は瑞姫と出会った日みたいな土砂降りの雨だった。
甘やかすと決めたから、キスをしようと思って、寝ぼけ眼で瑞姫を引き寄せようとした。
けれど。
「・・・!?」
ベッドに、瑞姫の姿はなかった。
先に起きたのか、とも思ったけど、時計を見ると、まだ朝の5時半。
そんなはずはないし、嫌な予感がした。
俺は自分の予感が嫌いだった。
今までの経験上、よく、当たるから。
「瑞姫!瑞姫―!?」
家の中で呼んでも、姿はおろか、物音一つしない。
どうしよう。いつからいなかったのかわからない。
外に、出たのか?
でも、瑞姫はものすごく外に出るのを嫌がっていたのに。
靴を買ってやっても、できる限り外に出ることは嫌がっていて。
そのせいかここに来てからも、瑞姫がいた公園までしか、しかも俺と一緒じゃなきゃ、行こうとしなかったのに。
玄関に行って、確認すると、やっぱり瑞姫に買ってやった靴はなかった。
「―――っ!」
土砂降りの雨のことも忘れて、傘も持たずに部屋を駈け出した。
*
久しぶりにバイトも何もなくて。
ずっと、一緒の時間があまりとってあげられなかったから、今日はずっと一緒にいようと思っていた。
それに昨日の夜、約束したこともあるし。
何かに脅えているような節もあるし、うざったいって言うまで、甘やかしてやろう、そんなことを考えていた。
朝起きてみると、外は瑞姫と出会った日みたいな土砂降りの雨だった。
甘やかすと決めたから、キスをしようと思って、寝ぼけ眼で瑞姫を引き寄せようとした。
けれど。
「・・・!?」
ベッドに、瑞姫の姿はなかった。
先に起きたのか、とも思ったけど、時計を見ると、まだ朝の5時半。
そんなはずはないし、嫌な予感がした。
俺は自分の予感が嫌いだった。
今までの経験上、よく、当たるから。
「瑞姫!瑞姫―!?」
家の中で呼んでも、姿はおろか、物音一つしない。
どうしよう。いつからいなかったのかわからない。
外に、出たのか?
でも、瑞姫はものすごく外に出るのを嫌がっていたのに。
靴を買ってやっても、できる限り外に出ることは嫌がっていて。
そのせいかここに来てからも、瑞姫がいた公園までしか、しかも俺と一緒じゃなきゃ、行こうとしなかったのに。
玄関に行って、確認すると、やっぱり瑞姫に買ってやった靴はなかった。
「―――っ!」
土砂降りの雨のことも忘れて、傘も持たずに部屋を駈け出した。
*