風の旅
噴水から延びていたのは、瑞姫の長い髪だった。
幸い、噴水の池が浅かったおかげで溺れてはおらず、体が冷え切っていただけだった。
たぶん、俺が気がつかなかっただけで、結構長い間、あそこにいたのだろう。
すぐに家に連れ帰って、風呂に湯を張り、瑞姫をいれて、温める。
息は弱弱しかったけれどしっかりしているから、大丈夫なはずだけど。
湯船の中で、冷え切った瑞姫を抱きしめながら、考える。
瑞姫は、何を思ってあんな所にいたんだろう。
あんな、寒くて、冷たくて、さみしいところに。
瑞姫はさみしがり屋だと思う。
俺が家を出るときは、ものすごく不安な顔をしていて、帰ってくると言葉にはしないものの、さみしかったということを体全体を使って俺に訴えてくる。
なのに、なんで。
死ぬつもり、だったんだろうか。
・・・もしかして、最初も、死ぬつもりであんな所にいたんだろうか。
でも、どんな理由にせよ。
「・・・ごめん、瑞姫・・・。」
瑞姫を抱く腕に力を込める。
*
幸い、噴水の池が浅かったおかげで溺れてはおらず、体が冷え切っていただけだった。
たぶん、俺が気がつかなかっただけで、結構長い間、あそこにいたのだろう。
すぐに家に連れ帰って、風呂に湯を張り、瑞姫をいれて、温める。
息は弱弱しかったけれどしっかりしているから、大丈夫なはずだけど。
湯船の中で、冷え切った瑞姫を抱きしめながら、考える。
瑞姫は、何を思ってあんな所にいたんだろう。
あんな、寒くて、冷たくて、さみしいところに。
瑞姫はさみしがり屋だと思う。
俺が家を出るときは、ものすごく不安な顔をしていて、帰ってくると言葉にはしないものの、さみしかったということを体全体を使って俺に訴えてくる。
なのに、なんで。
死ぬつもり、だったんだろうか。
・・・もしかして、最初も、死ぬつもりであんな所にいたんだろうか。
でも、どんな理由にせよ。
「・・・ごめん、瑞姫・・・。」
瑞姫を抱く腕に力を込める。
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