磁石
夏の空の下
「暑―――――――ッ!!」
暑い。
本当に暑い。
まだ七月に入ったばかりだというのに、蝉は声を枯らして鳴いている。
夏の太陽に妬かれ、ジリジリとしたアスファルトの上。
二人の少女が楽しそうに自転車を走らせていた。
ロングヘアーをふたつに結んだ子は、恩田菜実。
くりくりとした目が印象的だ。菜実の日焼けした肌に、白いTシャツがとてもよく似合う。
ショートカットの子は、伊川真友湖。
菜実と目が合うたびに、真友湖はクシャッとした笑顔になる。
真友湖は、面白くてかわいい菜実が大好きだ。決して口には出さないけれど。
「あハハハはははハハハは――――ッ楽しかったね―――――――。」
真友湖は、無邪気に言った。
もうちょっとで、セブンにつく!!!セブンはクーラ-利いているし、アイス買うから寄りたいなぁ…。
そう思うと自然と自転車のペダルに力がはいった。
「つうかウチらスゴ…!!ここから隣町って相当はなれてるのに、チャリで行っちゃったぁぁぁぁ!!」
菜実も笑顔で言う。
さすがにチャリで行くのはきつかったけど、楽しかったぁ…。
そう言いながらも、そう思いながらも、菜実の頭の片隅には健がいる。
健も一緒だったら…
と。
暑い。
本当に暑い。
まだ七月に入ったばかりだというのに、蝉は声を枯らして鳴いている。
夏の太陽に妬かれ、ジリジリとしたアスファルトの上。
二人の少女が楽しそうに自転車を走らせていた。
ロングヘアーをふたつに結んだ子は、恩田菜実。
くりくりとした目が印象的だ。菜実の日焼けした肌に、白いTシャツがとてもよく似合う。
ショートカットの子は、伊川真友湖。
菜実と目が合うたびに、真友湖はクシャッとした笑顔になる。
真友湖は、面白くてかわいい菜実が大好きだ。決して口には出さないけれど。
「あハハハはははハハハは――――ッ楽しかったね―――――――。」
真友湖は、無邪気に言った。
もうちょっとで、セブンにつく!!!セブンはクーラ-利いているし、アイス買うから寄りたいなぁ…。
そう思うと自然と自転車のペダルに力がはいった。
「つうかウチらスゴ…!!ここから隣町って相当はなれてるのに、チャリで行っちゃったぁぁぁぁ!!」
菜実も笑顔で言う。
さすがにチャリで行くのはきつかったけど、楽しかったぁ…。
そう言いながらも、そう思いながらも、菜実の頭の片隅には健がいる。
健も一緒だったら…
と。