磁石
「西岡公園行こうよ!」
西丘公園は、ここから山を登った所にある公園。
公園の他に、テニスコートや、野球場もある。
テニスコートは部活でも良く使うことがあった。
うんッ。いこ、いるほど、楽しそう!!真友湖は、すぐに同意。
思いつきで、
「ねぇ、そうだ。健も誘わない??」
といってみることにした。
この一言が、どんな未来を予想しただろうか。
この一言に、どんな未来が待っていたのだろうか。
健こと、斎藤健は西岡公園のそばに住んでいる幼馴染の男の子だ。
真友湖とは、家族ぐるみの付き合いで、仲がよい。
女子の恋愛相談を聞いたり、アドバイスしたりと、わりと女子とも仲がよかった。
菜実とも、きっと仲良くなるだろう・・・。
そんな軽い思い付きだった。
そのころは二人の恋が始まろうとしていることに、まだ誰も気づいていなかった。
健と菜実でさえも。
真友湖は、健ではなく、健の家の近くに住む雪村珊太が気になっていた。
そのことも健は知っている。
健の家に、珊太がきているかも知れない・・・!
会えたらいいな。
真友湖にはそんな下心もあった。