短編集
キラリと光る、ソレ
いつもの時間に、いつもの会話。
「みゆきせーんぱいっ」
「名前で呼ぶな」
ただ一つ今までと違うのは、その指。
「いいじゃないですかーっ。名前くらいっみゆきって、可愛い名前ですよね」
「ほんと、黙れば」
「まっ、そんなこといって!悲しくて泣けてきます」
「はいはい」
「ほんとに泣きますから」
ううっ、そう言ってわざとらしく泣く声を出した。
だって、そうでもしないと先輩が困るから。
゙みゆぎだなんて可愛い名前を持つ、正真正銘男の先輩。
あたしの、好きな人。