短編集
流れ星に願いを
「「あ」」
重なった声に驚いて、ばっと勢いよく横を見れば、視線がぶつかる。
「なぁっ、今の見たっ?!」
「み、見た」
弾むような明るい声に、少しだけ戸惑いながらも答える。
「やっと見れたなっ!なんとか流星群っ!!」
「獅子座流星群」
「そうっそれ!」
にこにこ満足そうに笑いながら、とびきりの笑顔を見せるから不覚にも顔がほてってくるのを感じた。
熱くなった顔を隠すように視線を下へと逸らす。
「あ゙〜、願い事すんの忘れたっ」
ガクッとうなだれる横顔を見ながら、チクリと胸が痛んだ。