【短編】鐘の音が聞こえる
多分、それは私のわがまま



街行くひとが、すべて幸せなわけがない。




駅の広場のベンチで座っている私。



自然と、通り過ぎるひとに目を向けてしまう。



私は、もう一度溜息をついた。



そして、駅前の時計塔の時間を見る。



「…もう10時過ぎてる…」



ぽつりと呟く。



どうして、ここに来てしまったのだろう…?



なんとなく足が、駅前の広場に向かっていたのだ。



なんの目的があって、今ここにいるのか…



可笑しいかもしれないけど



自分では分からなかった。








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