巡愛。~ずっと好きだった~
プロローグ
「君、お隣りの親戚の健ちゃんだよね?」
夏。
川で釣りをしている少年に声をかけた。
直接、話をしたことはなかったけど顔は知っていた。
夏休みはよくお隣りの家に泊まりに来ては川で遊んでいたから。
「………。」
あれ…私の顔、知らなかったのかな?
健ちゃんは私を一目見ると固まって動かなくなってしまった。
もしかして人違い…?
いや、でもこの黒いキャップ被ってる少年は健ちゃんでしょ!!
「私はお隣りの…相原結衣(あいはらゆい)だよ?…解る?」
不安になって恐る恐る聞くと、健ちゃんはハッとして頷いた。
「良かった!それでね、良かったらこの子と遊んでやってくれないかな?」