巡愛。~ずっと好きだった~


「そんな事ないよ!お姉ちゃんが料理上手だから…私、何もできない子になっちゃって。だから一人暮らし始めた時に、必死で覚えたの。」



「そうなのか?俺はかなり上手だと思う。」



本当に美味しそうに食べてくれる健ちゃん。


その姿は、中学生の男の子だなって思った。


ガツガツ食べる健ちゃんを、幸せな気分で見守っていた。



「ご馳走様でした。片付けは俺がしよう。」



健ちゃんが食器を片付けようとする。


私は慌てて、自分が片付けようとした。



「いいよ、お客さんなんだから。……あ…っ」



「…あ…。」



お皿の奪い合いで、健ちゃんと…手が触れ合って。




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