巡愛。~ずっと好きだった~
…だけど、何も言わなくて。
私をじっと見つめて…その瞳は…どこか寂しそうで。
また…晴信さんに、見えてしまう。
健ちゃんは…時々、私を不思議な瞳で見る。
中学生とは思えないような瞳で…。
健ちゃんは、何も言わない。
沈黙に…緊張感が高まっていく。
何…?
健ちゃん、あなたは私に何を伝えようとしているの…?
…その緊張が、堪えられなくて。
「そ…っそう言えば、前に言ってた健ちゃんの好きな人は…前世の記憶って、覚えてるの?」
咄嗟に出てきた言葉が、それだった。
私ったら、何を聞いてるの~!?