巡愛。~ずっと好きだった~


私は思わず、そんな事を言ってしまった。


だーかーらー!


彼女でも何でもないでしょ、私!


自分で突っ込んだんだけど。


振り返った健ちゃんは、少し驚いた顔をしてから…嬉しそうに笑った。



「結衣さんの料理、好きだから嬉しい。た…っ楽しみにしている…!」



急に顔を赤くして…黒いキャップを深く被り直して、健ちゃんは足早に帰って行った。



「はぁ~…。…健ちゃん…好き…。」



見送った後、部屋に戻るなり、溜め息混じりに呟いた。


ちょっと自分、気持ち悪いね…。


でも、恋してる時ってこんな感じでしょ?



今日一日で…沢山、幸せな事があった。




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