巡愛。~ずっと好きだった~
笑顔で言いながら…私は胸がズキンと痛かった。
「…結衣さん…。」
私が否定しても、雅ちゃんの不安そうな顔は、変わらない。
「私はあっちで応援してるね!頑張ってね!」
奇妙な空気が流れて、堪えられなくて…私はすぐに一般席に向かった。
…私…本当に…来ても良かったのかな…。
健ちゃんは…中学生なんだ。
あまりにも大人びているから、忘れそうになってたけど。
中学校に来るって事は…私の知らない健ちゃんを見るって事。
健ちゃん…あんなにオッサンっぽいけど…あんなに優しくて、真面目で真っ直ぐで…。
好きにならない子が、いないはずがない…よね…。