巡愛。~ずっと好きだった~
――――――
――――
――
「殿!どうか鎧を着て下さいませ!!」
戦にいざ出陣という時に、頭巾を被っただけの私の姿を見て家臣が慌てて告げる。
「何を言う。鎧など着たら、重さで動きが悪くなる。」
こんな重い物を着てまともに戦えるか。
「ですが殿は女子(おなご)であります故…」
その一言で私の機嫌は一気に悪くなる。
その家臣に槍を突き立てて冷たく言い放った。
「…誰が女子じゃ?」
家臣がゴクリと唾を飲み込んで黙った。
事実、私は女子ではあるが…それを言われたくない。