巡愛。~ずっと好きだった~
私は悲しくて悲しくて…首を横に振った。
「…結衣さん…?」
「私…健ちゃんの好きな…前世の人じゃ、ないよ…。」
「…何故、そう思う。」
「克也から聞いたんだけど…健ちゃんの前世って、武田信玄って本当?」
違うって…克也の冗談だって…言って欲しい。
「…そうだ。こんな事、克也しか信じてくれないが…。」
…冗談じゃ…ないんだ…。
私の目から…一気に涙が溢れ出た。
「結衣さん!?一体どうしたんだ…。」
「私…っ私も…夢を見るの…多分、前世の夢…っ」
私の言葉を聞いて、健ちゃんは一瞬、ビクッと怯えたような顔をした。