巡愛。~ずっと好きだった~
哀しい記憶。
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「景虎様!武田軍の使いの者が文を預かって参りました!」
「何…!?」
晴信からだった。
私と一対一で話し合いがしたい、という内容だった。
長い長い、対峙の果ての…晴信からの呼び出し。
緊張感が高まる。
「これは…一騎打ちがしたいという事か。」
「罠かもしれません!」
罠だ、という意見が多かったが…。
「私は、行く。もし晴信の後ろに軍が控えているような事があれば…この笛を吹く。いつでも戦闘に入れるように準備しておいてくれ。」
私は頭巾を被り、刀を手にした。