巡愛。~ずっと好きだった~
「私は生まれた時から自分を女子だとは思っておらぬ!!戦でも誰にも負けぬ!!私が女子である事は、皆忘れるのじゃ!!」
それでも、家臣が不安な顔をする。
これからいざ出陣だというのに、皆の士気が下がっては意味がない。
私は槍を下ろし、表情を和らげて言った。
「私を心配してくれるのは嬉しいが…大丈夫じゃ。私は毘沙門天様の生まれ変わりなのだぞ?どんな攻撃でも私を傷付ける事などできはせぬ。皆のもの、出陣じゃ!!」
「おおーっ!!」
“毘”の旗を掲げ、出陣 した。
向かうは信濃だ。
「待っておれ、晴信…!」
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