巡愛。~ずっと好きだった~
私は激情のままに…泣いた。
「う…っ!?うぇ…っ!」
「景虎様!?」
突然、吐き気がして…私は厠に走った。
先月…月の物が、来なかった。
まさか…晴信の子を…宿したのか…!?
…全身の血の気が引いていくのを感じた。
もはや…晴信は私を裏切った、敵に戻ったのじゃ…!
その敵の子を宿してしまうなんて…何て事じゃ…!
「晴信…っ私は…どうしたら良いのじゃ…っ!」
その場で泣き崩れてしまった。
「景虎様…!大丈夫ですか…っ!?」
振り返ると…小姓の少年が心配そうな顔で立っていた。
私が一番、可愛がっていた子だった。