巡愛。~ずっと好きだった~


絶世の美少年という訳ではなかったが、優しい子で泣き虫で…愛らしい少年だった。


舞が得意でよく踊らせていた。


いつの間にか背丈が伸びて…少年というよりは青年に近い…な。



「た…単なる食べ過ぎじゃ…!」



絶対に知られてはならぬ…!



「…まさか…晴信の子供が…?」



先程の呟きを聞かれていたのか…!



「ち…違う…っ!」



否定したものの…彼には多分、解ってしまった。


衝撃を受けたような顔をして…泣きそうになり…だが、最後に真っ直ぐ私を見て告げた。



「景虎様…どうか、お腹の子は私の子だという事にして下さいませ…!」



「な…っ!?何を言っている!?」




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