巡愛。~ずっと好きだった~
馬鹿な…と笑ったが、彼の瞳はとても真摯で…本気だった。
「景虎様をお慕いしていた私が思い余って…。そういう事にして下さい…!」
「馬鹿な事を申すな…!」
お前は、どこまで優しいのじゃ。
「案ずるな、この件は自分で何とかする。お前は決して、口外してはならんぞ。良いな…!」
それだけ告げ…私は自室に戻った。
「景虎様…何とかするって…どうやって…。子を流したりは…しないで下さいね…。」
外から少年の呟きが聞こえた。
何とかすると言ったものの…どうしたら良いのか、全く解らない。
物心ついた頃から…自分を女子だと思ってなかったのに。