巡愛。~ずっと好きだった~
――ミーンミンミンミン…
蝉のうるさい声で目が覚めた。
「…ん~…夢…?」
そうだ、ここは実家。
お盆で帰ってきたんだった。
それにしても…妙にリアルな夢だったな。
しかも時代劇!
女なのに殿って…本当に変な夢。
ふと時計を見ると驚愕の時間に慌てて起きた。
「うわっもう11時!?」
何もない休日、更に実家だからかつい寝過ぎてしまった。
外から…微かに克也と健ちゃんの声が聞こえる。
朝からまた、釣りでもしてるのかな。
私はぼーっとしながら居間に向かうと呆れた顔の母がいた。