巡愛。~ずっと好きだった~
私は出家すると認めた紙を残し、誰にも見つからぬように城を出た。
向かうは…高野山。
長い旅路の末…やっと高野山にたどり着いた。
あまりにも失う物が大き過ぎて…本当に出家するしかない、と涙を流した。
「…出家を願う…。」
「そうはさせませんぞ…!景虎様!」
「…叔父上…?」
「やっと見付けましたぞ!」
叔父上である、長尾政景を中心に、数人の家臣…あの優しかった小姓も一緒だった。
「…私を説得しに来たというのか。」
「お戻り下さい。我らには景虎様のお力が必要なのです…!」
必死な形相の叔父上。
「…ただの…女子の私が…か…?」