巡愛。~ずっと好きだった~


私自身が、裏切られたような気持ちで。


…赤ちゃんの事も。


晴信さんと結ばれなくても…裏切られても。


少し離れた所で、晴信さんの子供を産んで、静かに暮らしたかったんだ。


それも全部、叶わなくて…。


悲しくて悲しくて…涙が止まらない。



「…結衣…。」



「ごめ…っすごく…悲しい夢を見て…っ」



夢じゃなくて…記憶だって、私はもうそう思っていた。



「…うん。大丈夫、大体…解るから。覚醒したんだね。」



優太は冷えピタシートを取り替えて、優しく微笑んだ。



「…優太…?」



「結衣、伊勢って…解る?」



真剣な瞳の優太。



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