巡愛。~ずっと好きだった~
確か、優太は出会った時にも同じ質問をしてきた。
でも思い付くのは、やっぱり…。
「…地名…?」
前と同じ答えを返したら、また優太はガクッと肩を落とした。
「そっか…まーいいや。その内…ね。」
少し寂しそうに笑った。
…優太って、もしかして…前世で関わりがあったのかな?
何も話してないのに、いつも何か解ってる感じだし…。
――ピンポーン…
玄関のベルが鳴る。
起き上がろうとした私を、優太が制した。
「俺が出るよ。まだ熱、高いんだし。」
「うん…ありがと。」
優太は玄関に向かった。
狭いマンションだから…ベッドに居ても、玄関の声は聞こえる。