巡愛。~ずっと好きだった~
沈黙を破ったのは、私だった。
…ハッキリさせたかった。
あの夢は…記憶なんだもん。
ただの夢じゃない…!
健ちゃんは…困ったような顔をして…何かを恐れるような顔になって…でも、最後には決意したような顔をした。
「…覚醒したのなら、いずれ解るだろうから…ハッキリ言おう。前世の俺の名は…武田晴信。後の、武田信玄だ。」
健ちゃんの言葉を聞いて…私は頭を鈍器で殴られたかのような衝撃を受ける。
「そんな…だって…名前が違うから…別人だって…。」
「あの時代、名前が変わるのは普通なんだ。信玄という名は、出家してからの名前なんだ。」
「…そんな…。」