巡愛。~ずっと好きだった~
私は…健ちゃんの優しい手を、払いのけてしまった。
「…結衣さん…。」
その時の…健ちゃんの傷付いた顔。
「…あ…。」
後悔しても、遅い。
私…私…大好きだった健ちゃんの手を…。
私から…拒絶してしまうなんて…!
「…俺が傍にいると、苦しめてしまうみたいだ。…お大事に。」
健ちゃんは泣きそうな顔して、それだけ言うと…足早に部屋から出て行った。
私…何やってるんだろう。
どうしてこんな事になっちゃったの?
この間までは…ただ純粋に好きなだけだったのに。
私は…健ちゃんを、傷付けた。
10歳も年下の中学生を。
最低だ…。