巡愛。~ずっと好きだった~
でも、前世の記憶が…景虎の想いが、強過ぎて。
私は…健ちゃんを追う事が、できなかった。
どうしても…晴信が許せなくて。
自分でもどうしたら良いのか…解らなかった。
「結衣ねーちゃん!」
「…克っちゃん…?」
ただ悲しくて、苦しくて泣いてたら…今度は克也が部屋に入ってきた。
「部長に話、聞いたよ…!」
入ってきた、と思ったら…克也は涙を流して…泣いてる私を、抱きしめてきた。
「…克っちゃ…っ」
「辛かったね…結衣ねーちゃん…っ!」
“…景虎様…っ…う…っ…辛かった…ですね…っ”
その瞬間、克也があの優しかった小姓だったって、気付いた。