巡愛。~ずっと好きだった~


でも、前世の記憶が…景虎の想いが、強過ぎて。


私は…健ちゃんを追う事が、できなかった。


どうしても…晴信が許せなくて。


自分でもどうしたら良いのか…解らなかった。



「結衣ねーちゃん!」



「…克っちゃん…?」



ただ悲しくて、苦しくて泣いてたら…今度は克也が部屋に入ってきた。



「部長に話、聞いたよ…!」



入ってきた、と思ったら…克也は涙を流して…泣いてる私を、抱きしめてきた。



「…克っちゃ…っ」



「辛かったね…結衣ねーちゃん…っ!」



“…景虎様…っ…う…っ…辛かった…ですね…っ”



その瞬間、克也があの優しかった小姓だったって、気付いた。




< 178 / 201 >

この作品をシェア

pagetop