巡愛。~ずっと好きだった~
「克っちゃ…っ!う…っ!」
だから私は…あの時のように泣いてしまった。
克也の…小さな体にしがみついて。
ひたすら克也は、小さな体で必死に抱きしめてくれた。
…どれ位、そうしていただろう。
泣き疲れて、泣き止んだ私に…克也が言った。
「結衣ねーちゃん…部長はさ、知らなかったんだよ。景虎様が妊娠してた事。」
「…え…?」
「知ってる訳ねーじゃん!俺と景虎様以外、誰も知らねーよ!…まぁ、知ってたからって、どうなる訳でもないけど…。」
そっか…知ってる訳、ないや…。
私とあの子の秘密だったんだから。
なのに…健ちゃんを責めてしまった。