巡愛。~ずっと好きだった~
「へ?何が?あ、そうだ!今度すぐ文化祭があるんだ。つっても、見るだけだけど。一年は歌、二年は影絵、三年は劇!俺のクラス、英語の歌唄うから観に来てよ!」
嬉しそうにチラシを渡してくる克也。
「英語って…あんた、唄えるの?」
克也は英語が苦手だった。
「これから練習すんの!…部長は、武田信玄の劇やるんだって。」
「…信玄…の…?」
「内容は俺も知らねぇけどさ…部長の…晴信の気持ちが解るかも知れないぜ?」
晴信の…気持ち…?
知りたくない…今更。
何を聞いたって、言い訳にしか聞こえないから。
「ごめん…行かない…。」