巡愛。~ずっと好きだった~
「俺の前世は…戦国時代、だな。俺の話し方はそのせいもあるのだろう。そして、俺は…恋をしていた。その人とはお互い敵同士でありながら、俺はその人を愛してしまったんだ。」
「敵同士か…それで、二人は両想いになれたの!?」
健ちゃんは俯いて、哀しそうに少し笑った。
「いや。敵同士だったから、結ばれる事はなかった。」
「そうなんだ…なんか、切ないね。」
悲しい恋物語。
健ちゃんがすごく哀しく笑うから、私まで切なくなる。
本当に昔から健ちゃんは時々、年齢にそぐわない表情をする時があった。
今も、同じ。