巡愛。~ずっと好きだった~
それは前世の記憶のせいだったんだね。
「俺は、今でもその人が好きだ。」
健ちゃんはきっぱりと言い切った。
何て激しい恋だろう。
時を超えても尚、愛しているだなんて。
それ程までの激しい想い。
そこまで想われている、前世の人。
そんな人に…私が敵うはずがない。
私の胸中は、悔しさでいっぱいになった。
そして、情けなくなった。
健ちゃんにはそんなに前から想い人がいるのに。
私に好意を持ってくれてたら…なんて考えた自分が情けない。