巡愛。~ずっと好きだった~
それが、驚く事に…先程頭の中で思い描いていたような、光る君かと思う程に…その男は美しかった。
私としたことが暫しの間、その男の美しさに見とれてしまった。
「誰だ!?こんな夜更けに、私の首でも取りに来たというのか!?」
いつでも抜けるように、刀の鞘を持ち、警戒するが…その男はただ笑った。
妖しく…妖艶、という言葉が当て嵌まるような笑い方だった。
「今宵はそんなつもりで来たのではない。ただお前を、一目見てみたかっただけだ。」
私を見たかった、だと!?
意味が解らん!!
「誰だと聞いている!」