巡愛。~ずっと好きだった~


それに…宿敵、晴信の物になど、誰がなるか!



「お前には妻も小姓もいるではないか!」



源氏物語の姫になるのは、ごめんだ…!


そう思った瞬間、信じられない速さで…一瞬にして晴信は私の目の前に移動した。



「いるが…お前を気に入ってしまったのだ。…俺の愛人になれ。」



低い声で囁かれ、胸がカッと熱くなってしまうのを感じた。


その熱を打ち消すように、私は…刀を、抜いた。



「ふざけるな…!お前の戯れ事に付き合ってやるつもりはない!私は…私は女子である事は捨てたのだ…!」



刀を抜いた…という事は、戦闘の合図だ。




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