巡愛。~ずっと好きだった~


やれやれ…とでも言いたそうな顔をして、晴信も刀を…抜いた。



「今宵は…そんなつもりではなかったんだが…仕方がない。手合わせ願おうか。長尾景虎殿。」



晴信も刀を構え、張り詰めた空気が流れる。



「はぁーっ!」



お互いの刀が交わる。


その瞬間、私の身体中の血が…騒いだ。


無駄のない動き、力強くて重い…そして、速い。


全く…隙がない。


だが…何故だ。


この男と刀を交えていると…全身の血が、沸騰する。


全身が…熱い…!



「…どうやら…今宵の逢瀬は…ここまでのようだな。」



< 60 / 201 >

この作品をシェア

pagetop