巡愛。~ずっと好きだった~
やれやれ…とでも言いたそうな顔をして、晴信も刀を…抜いた。
「今宵は…そんなつもりではなかったんだが…仕方がない。手合わせ願おうか。長尾景虎殿。」
晴信も刀を構え、張り詰めた空気が流れる。
「はぁーっ!」
お互いの刀が交わる。
その瞬間、私の身体中の血が…騒いだ。
無駄のない動き、力強くて重い…そして、速い。
全く…隙がない。
だが…何故だ。
この男と刀を交えていると…全身の血が、沸騰する。
全身が…熱い…!
「…どうやら…今宵の逢瀬は…ここまでのようだな。」