巡愛。~ずっと好きだった~


暫しの間、刀を交えていたのだが、残念そうに呟くと晴信は私から離れた。



「…なかなかの、腕であった。楽しかったぜ?…姫。」



姫…そんな風に呼ばれて、私は怒りで興奮してしまう。



「誰が姫だっ!私を女子であると思うな…っ!!」



だが晴信は楽しそうに、ふっと笑う。



「じゃあ…な。また会おう…景虎。」



名残惜しげな顔をして、晴信は一瞬にして部屋から出て行った。


そのすぐ後に、バタバタと足音が近付いてくる。



「失礼致します!景虎様…!ご無事でございますか…!たった今、武田晴信が…!」



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