巡愛。~ずっと好きだった~


小姓達が必死な形相で部屋に入ってきた。



「あぁ…晴信が来たな。刀を交えた。だが逃げられた。」



取り合えず状況だけは伝えたが…私の頭の中は晴信でいっぱいになってしまった。


一体…何なのだ、あの男は…!


そして…私のこの…心の臓の高鳴りは。


履き違えるなよ、景虎…!


奴は宿敵なのだ…!


そして私は、女子である事は捨てたのだ…!!





――
――――
――――――






――ピリリリッ…ピリリリッ…ピリリリッ…




手を伸ばして、うるさく鳴っている目覚まし時計を止める。




< 62 / 201 >

この作品をシェア

pagetop