EACH WOUND

「いい年してやめてほしいよね。」


部屋に入りソファーに腰を下ろしながら不満をもらす。



「そうだな。」


苦笑しながらも隣に腰を下ろす。



もう本当にやめてほしい。
親のラブシーンほど気持ち悪いものはないと思う。


「テレビでも見る?」


「うーん…あ、襟曲がってるよ。」



あ……



「ありがとう。」



お兄ちゃんの襟を直している途中で気付いてしまった。



笑顔で私を見るお兄ちゃんは私の異変に気付いてないらしい。



……首筋にあった、あれ。
キスマークだ。



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