EACH WOUND
俺は女の子に隣に座るよう促すけど警戒してるのかなかなか隣にこようとしない。
「大丈夫だって、俺も東高の生徒だから。」
そう言って微笑むと、女の子はやっと隣に座ってくれた。
少し間を開けてだけど。
「名前は?」
「……木下ちえり。」
俺の問いに、短くではあるけど。
愛想もくそもないけど。
ちゃんと答えてくれた。
何でかはわからないけど、俺はそれだけのことが無性に嬉しかった。
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