Despairの終末
目が覚めればそこは真っ白な部屋。
左腕には包帯が巻いてあるけど、白い包帯は赤黒く染まっている。
他にはごちゃごちゃホースがのびている。

もぅ起きてるはずなのに頭は空っぽで、心もぽっくり空いていた。

 「起きたんだね。」

白いカーテンから顔を覗かせたのは衛生課の24歳の准尉、相森健一郎だった。
肌がいい感じに焼けていて爽やかなルックスは何故か迷彩服に似合っている。

 「包帯、外すよ?」

遠慮がちに大きな掌で腕を掴んできた。

 「。。。理由、聞かないんですか?」

相森准尉は白い歯を見せて笑った。

 「言いたくなった時に言えばいい。」

無理に聞いたりなんてしない。と付け加えてまた笑った。
そして丁寧に赤黒く染まった包帯を外していった。

 「。。。っ。。。」

少し触れるだけでもかなり痛い。
なのに相森准尉はライン1本1本に優しく舌を滑らせた。

 「痛いっ!!」

なんとか掴まれた腕を離そうとするけど体重全体で腕を抜こうとすると傷が開いて更に痛くなる。
< 45 / 52 >

この作品をシェア

pagetop