キミの隣に
晩夏の花火
全てが、終わった。
樹里とのライブも。
啓太君達とのライブも。
無事に終わって、
心底ほっとしてる。
仕事とライブと
責任の重圧に
何度、押し潰されそうに
なったか。
でも
樹里の・・・鷹尾君の
純粋さというか
人間くさいというか
一生懸命な表情を見てたら
頑張れたんだよね。
まあ・・・
他に理由が
なくはないんだけど。
「しっかし、あれだよなぁ。
鷹尾も鷹尾だけど・・・
真月も『します』って。」
いつもの店で透が
思いだし笑いをしながら
焼酎を煽る。
「だって・・・
ああいうの言われたの
初めてなんだもん。」
思わず、素で答えたじゃない
実際、付き合ってもないし
突然、結婚なんて
できるはずもないけどさあ。
あんな風に
非現実的に本能だけで
答えられるなんて
ちょっと、いいよね。
「真月、あれってマジなわけ?」
透の目が優しい。
「どうかな。」
答えは濁しておく。