キミの隣に

夢見心地

 

最後の線香花火が
チリチリと火花を散らす。


必死に紡いだ言葉に
真月は、反応をしめさない。


ってか・・・
プロポーズより先に
いうことあんだろ?!俺っ

堂野さんの罠に、
予定していた言葉は
見事に飛んでしまった。


「真月?」

何でもいいから
何かいってくれ!!


「ん?
嬉しいなって思って。
ありがとう、樹里。」

彼女はニッコリ笑う。


「えっと・・・じゃあ・・・」

微妙に返事になってないんだけど。


「ねぇ、
お互い音楽関係の事しか
知らないし
仕事だって直ぐには
辞められないでしょ?

とりあえずフツーに
お付き合いしたいんだけど、
いかがかな?」


真月が、
花火を片付けながらいう。

そうなんだよな・・・

俺は、彼女の歳すらも
しらない。


「そうだな。」


ノリで結婚といかない辺り
真月は現実的で。

確かに、互いに無理が
あるようじゃ、
うまくいきようがない。

俺としても、
彼女と結婚するなら
クリアしたい問題もあって

一年位つきあって
どうするか決めようって
話になった。



 

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