キミの隣に
 
「だって、真月ちゃんのが、
先生より稼ぎそうじゃん?」

・・・・・・

ハッキリいいやがる。


「だってほら。
真月ちゃん、
課長さんなんだよ。」

七海に、真月の名刺を
渡される。

なんだよ
結構、知名度のある
企業じゃねぇか


「先生、大丈夫?
先生の事だし、
しらなかったんじゃない?」


「・・・」 


高校生に、こんな事
心配されてる俺って、
いかほどだよ・・・


「だいたい、何で七海が
真月の名刺もってんだよ?」

「進路決めんのに

この時勢なんだから、
コネって、大事じゃん?
進学と就職、両方考えたら、
知人は多い方がいいじゃんっ」


・・・・マジかよ?


今時の学生って
こんなに計算すんのか?


俺なんて、
ギターで食ってきたくて、
しかも、あわよくば
ミュージシャンになれっか?

・・・なんて軽さで、
ギター専科選択してたし。

たまたま技術面が、
ともなったから、
講師で食えてるものの・・・

考えただけで怖くなる。


自分の適当さというか
無垢さ加減に。


 



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